C型肝炎(シーガタカンエン)
感染経路
C型肝炎ウイルスは主に血液に含まれ、傷口に接触すると感染のリスクがあります。
また、皮膚への接触では感染することはありません。
セックスでは、おもに以下のような行為によってC型肝炎に感染する可能性があります。
- コンドームをつけずにペニスを膣やアナルへ挿入する・される
- コンドームをつけずに膣やアナルの中で射精する・される
(ペニスを挿入する側にも尿道口などからHIVに感染するリスクがあります)
A型肝炎やB型肝炎と比べて感染力は低いものの、ペニスを膣やアナルへ挿入した際に粘膜が傷ついていたり、出血していたりする場合には感染するリスクがあります。
症状
だるさ、食欲不振などの症状がありますが、自覚症状がないままC型肝炎ウイルスが体内に残ることが多いです(慢性化)。発熱、食欲不振、倦怠感などを自覚することもあります。
3割ほどは自然に治癒する一方、残りは慢性感染となります。自覚症状がないまま感染した後、慢性肝炎となり、10〜30年後に肝硬変、肝臓癌を引き起こすリスクがあります。
HIVとC型肝炎が重複して感染するによって、肝硬変への進行が速くなることがあります。
無症候期間
感染してから2〜14週間後に症状が出ることがありますが、自覚症状がないまま体内にウイルスが残ることが多いです。
治療法
服薬治療等により、C型肝炎ウイルスを体内から除去、完治することが可能です。
C型肝炎を治療する薬の中にはHIVの治療にも使われる薬と同じ種類の薬があり、抗HIV薬とC型肝炎の治療薬が影響し合うことがあります。
- HIVに感染しているかわからない場合、C型肝炎の治療を始める前にHIV検査を行います。
- すでに抗HIV薬を服薬している場合は、治療を始める前に薬の飲み合わせを確認する必要があります。
予後
体内からC型肝炎ウイルスの除去をできるようになりましたが、感染により弱った肝機能の検査を定期的に行う必要があります。
妊娠・出産への影響
母親がC型肝炎ウイルスキャリアの場合、出産時に血液を介して胎児に感染するため可能性がありますが、感染リスクは高くないことがわかっています。
ワクチン
現時点においては、C型肝炎のワクチンはありません。
ペニスの挿入を伴うセックスの際にコンドームを使用することで、予防することができます。
他者への感染リスク(治療前〜治療後)
治療を行っていない場合、コンドームを使わずに挿入を伴うセックスをした場合、他者に感染させるリスクがあります。特に、不特定多数とのセックスや、出血を伴う様なセックスは感染リスクが高いです。血液を介して感染するため、薬物使用時に針を共有することで他者へ感染させてしまうリスクがあります。