A型肝炎(エーガタカンエン)
感染経路
A型肝炎ウイルスは感染した人の便に含まれ、これらが口から入ると感染のリスクがあります。
唾液や汗・涙には含まれません。また、皮膚への接触では感染することはありません。
セックスでは、おもに以下のような行為によってA型肝炎に感染する可能性があります。
- 他者の肛門を舐める(リミング、ケツ舐め)
- 他者の肛門に触れた指を舐める
- 他者の肛門に触れた指で触れた箇所(性器や乳首など)を舐める
3人以上でセックスをする場合は、他者の肛門を直接舐めなくてもこれらのことから感染することがあります。
また、他者がアナル洗浄に利用したホースが十分に洗浄されていない場合も、感染リスクがあります。
A型肝炎ウイルスは感染力が強く、アナルセックス、オーラルセックスでも感染しやすく、不定期にアウトブレイクが起こることがあります。
症状
下痢、急な発熱、だるさ、吐き気、濃い色の尿が出る、黄疸が出る(目の白い部分、皮膚が黄色っぽくなる)などの症状があります。
まれに重症化すると劇症肝炎となり生命を脅かすこともあります。高齢になるほど重症化しやすいと言われています。
無症候期間
潜伏期間は2〜7週間(平均4週間)です。
治療法
A型肝炎に特異的な治療はなく、安静・対症療法が治療となります。
一般的に数週間で自然治癒します。症状が重い場合、入院し点滴などによる対症療法を行います。
予後
症状、血液検査の経過が良ければ、治療終了となります。
A型肝炎は一般的に慢性化することなく、肝硬変や肝癌へ進むことはありません。
A型肝炎の治療後は体内に抗体ができるため、通常再感染はしません。
妊娠・出産への影響
特にありません。
ワクチン
A型肝炎ワクチンによる予防が可能です。
一般的に病院・クリニックで3回の接種が必要です(初回、1ヶ月後、6ヶ月後)。
ワクチンの接種費用は1回につき5,000円〜10,000円程度で、健康保険の適用外となります。
他者への感染リスク(治療前〜治療後)
治療前は、自分の肛門を舐めさせる行為やオーラルセックスなどにより、他者に感染させるリスクがあります。
症状が消え治癒した後も数週間程度は肛門からA型肝炎ウイルスが排出されることがあるため、その間は他者へ感染させるリスクが残っています。